Van Halenのニューアルバム "A Different Kind Of Truth"の発売から一週間、じっくり聴き込んだが、イヤイヤ本当に素晴らしい!
アルバム全体を一言で言い表すならば・・・
『VH完全復活、
21世紀のVan Halenサウンドここにあり!!』
ツィッターをはじめとするネット上の各所でも聞かれる高評価通りで、まさにデイヴ時代のヴァン・ヘイレンが戻ってきた。。。(号泣 
シングルとして先行発表された"Tatoo"は軽いジャブだったと言うか、完全なフェイントだったと言うべきか・・・ とにかく、今回の新作を含めたデイヴ時代のアルバムをiPodでシャッフル再生しても、28年の時を経てこれほど違和感がないというのは驚異的。
なぜ、ここまで衰えを感じさせない素晴らしい新譜を作ることができたのか?
直接的に最も大きな要因になっているのは、やはりデイヴが在籍していた1970〜1980年代に作られていた未発表曲が多数含まれていることだと思う。
自分の知る限りで5曲、( )は原題である。
2. She's The Woman (曲名同じ)
5. Blood And Fire (The Wild Life Opening、俗称 "Ripley")
10. Outta Space (Let's Get Rockin')
12. Big River (Big Trouble)
13. Beats Workin' (Put Out The Lights)
2,10,12,13は、デビューアルバム制作前の1977年に録音された通称ワーナーデモに収録されているもの。5は、1984年のアメリカのコメディ映画 "The Wild Life" のオープニングテーマとして使われていたインストルメンタルがベースになっている。
過去のデモテープを聴いたことのある人ならお分かりだろうが、アレンジもほとんど当時そのままだ。
この過去の曲が新作に収録されているという事については、サミー・ヘイガーが苦言を呈しているような報道も出ていたけれども、ミュージシャンの立場からすれば確かにそういう視点もあるのかもしれない。良いと思ってやってみたものの、どうも今の時代にマッチした音楽に聴こえない・・・とかね。
しかし今回の彼等が凄いのは、その35年もの大昔に作ってあった曲をいまさら引っぱり出してきて最高のアルバムにしてしまったという事実だ。
ふつうアウトテイクというのは、「楽曲としての出来が良くない」と判断されたからボツになってしまうものだと思う。(実際、他のアーティストでも再プレス盤のボーナストラックとして収録される過去のアウトテイクに良い曲はほとんどない) しかし、今回 "A Different Kind Of Truth" に収録された旧作達は、当時そういう理由で未収録になったわけではないと思うのだ。
その理由とは、おそらく 「他に似た雰囲気の曲があったから。」
House Of Painとか、Top Jimmyとか・・・何とな〜く彷彿とさせる雰囲気、ありますよね?
つまり、そうした極めてハイレベルな取捨選択の末に出来上がったのが、1stアルバムの "Van Halen"〜6thの"1984" だったわけで、それらのアルバムがすべて「捨て曲なし」と言って差し支えない出来であるのは、厳選に厳選を重ねた結果だからこそ、ということなのだろう。そして、その時にアウトテイクになってしまった曲も普通のレベルからすれば全然「良い曲」だったわけである。
「70年代のVan Halenを意識した新曲」ではなく、まさにあの時代にエディとデイヴが共に作り上げていた「本物の70's Van Halenの曲」であること。
その違いは、確実にリスナーに伝わっているんじゃないかな。

もちろん、全てが全て過去に作った曲というわけじゃないんでしょうが、そういう新旧織り交ぜてこのサウンドですから・・・
2007〜2008の北米ツアーでデイヴと一緒に演るカンを取り戻したということもあったのでしょうか... これこそが、ヴァン・ヘイレンは別格たる所以なんですよねぇ。。。
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