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2007年2月 5日 (月)

Ernie Ball Musicman EVH

Musicman EVH Trans.Blue今年のNAMMショウでフェンダーからFRANKENSTEINレプリカが発表されましたが、現在のエディスタイルのオリジナルとなったモデルといえばやはりこれ。
アーニーボールミュージックマンのE.V.H. = エディ・ヴァン・ヘイレン シグネイチャーモデルです。


発表された当時は、「これがエディモデル!?!?」と周囲に衝撃を与えたモデルですが、実に完成度の高いギターでエンドース契約の終わった現在でも若干の仕様変更を行いアクシスのモデル名で継続生産されているのはご存知の通り。

発売された時からかなり気になっていたギターですが、当時は何よりその価格(38万)を前にとても手が出ず、そうこうしているうちに音楽に対する興味も薄れて行っていた時期だったこともあり、憧れのギターは徐々に記憶の隅に追いやられていたのでした。

それからおよそ10年が経ち、iPodの購入をきっかけに音楽への興味が再燃。当時はCDすらあまり聴く事がなくなっていたのですが、 持っているアルバムをiPodに取り込み通勤時間に聴きまくるようになったのです。メインは当然ヴァンヘイレン...そしてある日、会社の後輩から某VH トリビュートバンドのライブに誘われ・・・。

こうなるともう止まりません。しかし当時EVHは既に生産終了していて新品で購入することはできなかったのでAXISにするかAXIS-EXにするか、楽器屋を訪れ悩む日々がしばらく続きました。しかしそこでギター好きの友人からの一言が。

 「本物にしとけば? どうせいずれは欲しくなるでしょ。」

Musicman EVH Signatureこ のブルーフィニッシュが美しいギターは、3年ほど前に入手したものです。ボディトップのメイプルには全面にきれいなキルト杢目がムラなく出ており、トラン スルーセントブルーの鮮やかなカラーリングとマッチして深い海を思わせる仕上がりになっています。ミュージックマンのトランスブルーフィニッシュは、個体によって青色の濃さにかなり幅があるように思いますが、このギターは濃すぎず淡すぎずといったところ。

Ernie Ball社にシリアルナンバーを照会したところ1995年に製造されたものとの回答でしたので、ほぼ最後期のモデルということになります。


初めて弾いた時、まずそのネックグリップに感動した。

Musicman EVHのネックは親指側にやや膨らみを持たせた非対称形状のシェイプを採用しています。これが実に手に馴染む。ネックの厚みは意外にある方だと思います が、この非対称シェイプ&狭めの幅のバランスのおかげで握っていてボリューム感を感じることは全くなく、手が小さめの私でも親指で6弦を押さえるというアクションも極めて自然にできたりします。同じHR系ギターとして人気の高いIbanezのようなワイド&薄めのシェイプとは対照的な設計と言えると思いま す。

Musicman EVH 非対称ネックミュージックマンの特徴でもある無塗装オイルフィニッシュとのコンビネーションでポジションの移動も気持ちよいくらいにスムーズ。これに慣れたらもう他のギターは弾けないな・・・と思ってしまった。


Mmevh_neck1 さらに演奏性を高めているのがこのボディとネックのヒールレスジョイント。

まあこれは今となっては珍しいものではなく、多くのメーカーでスタンダードになりつつありますが、このMusicman EVHも手抜きなくきっちりと仕上げられています。

Mmevhblue3 ボディデザインは好き嫌い分かれるところだと思いますが、レ スポールとテレキャスターを足して2で割ったような形状はコンパクトで取り回しも良く、クラシカルな雰囲気を持ちながらも他にはないオリジナルとしての存在感も持ち合わせている。
音には直接関係のない部分ですが、トップのメイプルにフィギュアード材を使っているのもヴィンテージギターを彷彿とさせる雰囲気があ り、楽器としての魅力を高めているポイントでしょう。

コンパクト・ヘッドストック

Mmevh_headback ヘッドストックはアーニーボール・ミュージッックマンの全てのモデルに共通の特徴的な4:2デザインを採用。

「飛行機の機内持ち込みサイズに収めるためにヘッドをぎりぎりまで小さくした。」などというウワサ(?)もあるようですが、このコンパクトなヘッドデザインこそが機能面・音響面の両面からEVHのギター全体のバランスを向上させる上で非常に大きな要因になっているように感じます。

Mmevh_headside1あくまで個人的な印象ですが、ヘッドを小さくしたせいで鳴りのポイントがネック本体に集約され、後述のとおりボディ材との一体感がより高められているように感じられます。スタインバーガーがヘッドレスで登場した時は、「こんなカタチでまともな音出るの?」とか言われつつ、実際はかなりGoodなサウンドを弾き出していたのに近いかもしれません。

演奏性の面では、言葉でうまく説明するのが難しいのですが、ローポジションでネックを握った時のしっくり感がこのヘッドデザインならではの独特なものがあり、ネックを握っているだけで幸せな気分(笑)になってくるから不思議です。よくMMのギターがショートスケールだと誤解されるのは、この部分に理由があるのではないかと思っています。

そんな数々の秘密(?)を持つこのヘッドストックのデザインに関しては、さすがのエディも「そのままでOK!」とGOサインを出したのではないでしょうか。


ギターが鳴っている。

サウンドについて。まずはいわゆる「生鳴り」、材が振動してギター全体が共鳴している感覚が今まで手にしたどのギターよりも優れています。

Mmevh_catalog1ユーズドで入手したものなのである程度弾かれていたということもあると思いますが、軽くて振動が伝わり易いバスウッドをボディ材に使用しているのが一番のポイントなのでしょう。メイプルネックと一体化してギター全体が鳴っているという感覚がビリビリと伝わってきます。

そんなギターなので当然のごとくサスティンも非常によく伸びます。別に所有しているスルーネック構造でロングサスティンが売りのヤマハSG-2000と比べてもEVHの圧勝。おそるべしErnieBall Musicman。

バスウッドは以前は低価格帯のギターに使われていることが多かったので安物材的なイメージを持っていたのですが、このMusicman EVHを弾いてみてそのイメージは完璧に払拭されました。
バ スウッドは80年代の初めくらいに、当時エディが入れ込んでいたアラン・ホールズワースが愛器のシャーベルに使っているとインタビューで語っている記事を 読んだ記憶があります。

Mmevh_catalog2その頃のエディはKRAMERと契約をするかしないかくらいの時期で、まだアッシュボディのコンポストラト (FRANKENSTEIN)をメインに使っていたと思いますから、ホールズワースとの交流をきっかけに自分のギターにもバスウッドを使おうと思いついた のかもしれません。

バスウッドゆえの軽さも大きな魅力です。コンパクトなボディサイズと相まって、立っていても座っていても弾いていてストレスを感じることがありません。

上の画像はEVH発売当時の国内版カタログ。価格表示以外は全て英語表記です。

 
EVH専用カスタムメイドP.U.

Musicman EVH Custom Pick Upこのモデル専用に開発されたDiMarzio製のピックアップは、エディが長年使い込んできたGibsonのオールドPAF(ダンカン説もあり)のサウンドを再現したもので、フロント・リアはそれぞれのポジションに合わせた専用設計になっています。

歪ませた時のサウンドは正にEVHの名に相応しいのもので、ボディの鳴りの良さと相まってハーモニクス豊かなファットなサウンドを響かせてくれます。個人的にはフロント+リアミックスでクリーントーンを鳴らした時の音もかなりお気に入り。ハードロックに限定されない幅広いサウンド作りが可能なのもこのギターの魅力のひとつと言えるでしょう。


Floyd Rose Toremolo

Mmevhfloyd_side1 フロイドローズのトレモロユニットはMUSICMANの刻印が入ったGOTOH製のものを搭載。

セッティングはノンフローティングになっておりアームダウンのみ可、アームアップはできません。ブリッジプレートはボディからやや浮いた位置でボディときっちり平行にセットされているので、激しいアームダウンでもブリッジがギターのボディに干渉したりすることもないですし、ミュートのために手を置いた時のフィーリングも極めて自然で違和感も無し。

Mmevhfloyd_side2 D-Tunaは後付けのものですが、コレ便利ですね。一発でドロップDモードに切り替えることができ、思い立ったときにいつでもUnchainedのリフを弾くことができます(笑) そしてレギュラーチューニングに戻すのも簡単。音程の微調整もかなり細かくできるようになっています。ただ、D-Tunaを付けると6弦のファインチュー ナーの調整幅が極端に狭くなるのが欠点。

                                                ###

と、良いことばかり書いてきましたが、自分の理想をエディがそのままカタチにしてくれたようなギターなので、もうこれ以上のものを望むべくはない! というくらいのお気に入りなわけです。

気になる点をあえて挙げるとすれば、ボディが軽いせいか、ややヘッド落ち気味のバランスにあることく らいか。エディがMusicmanの後に使い始めたPeaveyのWolfgangは6弦側のホーンの部分がより突き出した形になったのは、このバランスを改善するためだったのかもと思ってます。(ヘッド落ちして困るとかのレベルではありません)
あとこれは個体差があると思いますが、「ミュージックマンのネックは温度や湿度の変化で動きやすい」という話を聞くことがありますが、確かにその傾向はあるように思います。私のギターは、チューニングに少し影響があるくらいでトラスロッドを動かすほどではないので特に問題になるレベルではありませんが。

以前はミュージシャンモデルというと名前の付加価値で売るためのもの、というイメージが強かったように思いますが、アーニーボールミュージックマン EVHは楽器としての完成度が非常に高く、デザイン的にも機能的にも新しいオリジナルのモデルとして評価されているのだと思います。国内外問わず多くのプロミュージシャンが愛用するのも納得です。

言うまでもなく全国的にEVHファン多し!という状況なんでしょうが、EVHホッシーノさんのサイトで多くのMusicman EVHを見ることができます。

 EVHシグネイチャー友の会   (CLUB EVH)

最後に全編でErnieBall Musicman EVHのサウンドが堪能できるアルバムのご紹介。(ってあらためて紹介するまでもないと思いますけど...)

ベスト・ライヴ:ライト・ヒア、ライト・ナウ [DVD] DVD ベスト・ライヴ:ライト・ヒア、ライト・ナウ [DVD]

販売元:ワーナーミュージック・ジャパン
発売日:2005/09/07
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コメント

Frankenさん
はじめまして、いばと申します。
とても素敵なスペックのギターですね。

僕も、GOTOHのフロイドローズ使ってます。

で、一つお伺いしたいのですが、GOTOHのフロイドローズって、ファインチューナーのついている部分がボディー表面に対して、角度ついていますよね。ですので、純正のフロイドローズを対象に作られたD-tunaだと、E⇔Dの差が不十分になってしまいませんか?
D-tunaについているその差の幅を調整するネジは全開にしていますが、まだ足りません。もし、それをなんらかの方法で解消されていらっしゃいましたら、教えてください。

すいません、ちょっと話題がそれてしまいまして、、、。

投稿: いば | 2009年8月29日 (土) 19時08分

すみません、宛名まちがえてました。
富士山さんでよろしいでしょうか?

投稿: いば | 2009年8月29日 (土) 19時12分

私のギターは特に問題ないですねぇ。いばさんのギターはMM EVHですか? 後付けとかだとユニットの取付け精度やセッティングが原因かもしれませんね。

投稿: 富士山 | 2009年8月30日 (日) 22時06分

お返事ありがとうございます。

僕のギターはEVHモデルじゃなくてRGなんです。もともと標準のロック式ブリッジEdge Pro2がついてたんですが、D-tunaをつけたくてフロイドローズにしました。

フロイドローズだけでは全く問題なく取り付けができています。チューニングも安定してます。

しかし、やっぱり、ファインチューナの斜めになってる部分が可動域を狭めていますね。↑に記載されてらっしゃるとおり、6弦のファインチューナのネジは全開にしています。さらに、D-tunaのネジのあたる箇所は傷がいってしまいますので、ファインチューナのネジの先端を丸くしました。

ちなみにD-tunaの横側についている小さいねじは全開ですよね?

投稿: いば | 2009年9月 2日 (水) 01時06分

初めましていちと申します。
先日ミュージックマンを購入しました。シリアル照会されたという事ですが
どのような方法でシリアル照会されたか教えていただけないでしょうか?

投稿: いち | 2009年11月 5日 (木) 11時14分

こんにちは。
極めて正攻法なんですが、ミュージックマンサイトの問合せ窓口からメールを送りました。 http://www.music-man.com
の右上にある、Contact Us > Customer Service のところです。
おそらく今でも対応してくれると思いますよ。

投稿: 富士山 | 2009年11月 6日 (金) 02時31分

富士山さんありがとうございます。
なんとかやってみます。

投稿: いち | 2009年11月 6日 (金) 10時41分

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