釧路湿原3割縮小 過去60年開発の土砂堆積
ここでも開発による在来生物への悪影響が問題になっているわけですが、
釧路湿原、60年間で3割縮小 開発の土砂堆積
2007年07月28日12時27分
日本最大の湿原である北海道東部の釧路湿原が、過去60年で3割縮小していることがわかった。87年の国立公園指定で保護管理が強化されたが、この10年でも1割縮小し、湿地の乾燥化が加速している。国立公園の外側での農地開発などにより、流出した土砂が河川を伝って湿原内に流れ込んでいることが原因とみられるが、抜本的な対策は見つかっていない。
釧路市北部に広がる釧路湿原はタンチョウなど希少な野鳥や野生生物の生息に重要な湿原として80年にラムサール条約湿地に登録され、87年7月に国立公園に指定された。
国土交通省によると、戦後の47年の調査では、釧路湿原全体の面積は約2万5000ヘクタールあったが、周辺の農地や宅地の開発で出た土砂が、毛細血管のように湿原を流れる河川を伝って堆積(たいせき)。乾燥化が進んで、04年には約1万8000ヘクタールまで縮小した。これと反比例するように、乾燥化の指標とされるハンノキ林が2000ヘクタールから8000ヘクタールに拡大した。
湿地再生のため釧路川の再蛇行化事業が進む釧路湿原=北海道標茶町で、本社機から
ラムサール湿地や国立公園になってからも湿原上流部では酪農地の開発が進み、河畔林の伐採などによっていまも土砂の河川流出が続いている。釧路市の担当者は「湿原はスポンジのように栄養を吸収するが、土砂流入で目詰まりを起こすと表面だけが富栄養化し、ハンノキが著しく成長する」という。
ハンノキが湿原に根を張れば周辺の保湿性が奪われ、乾燥化がさらに進む。湿地が減れば、生息するキタサンショウウオなどの希少生物や、湿原を繁殖場所としているタンチョウがすみかを失っていくことにもなる。
国交省は現在、主流河川、釧路川周辺の湿地回復を図るため、一度直線化した釧路川を再び蛇行させる事業に取り組んでいる。だが、NPO法人トラストサルン釧路の杉沢拓男事務局長(61)は「上流部の対策を取らねば、湿原破壊はますます進む」と指摘している。
釧路湿原の植生の移り変わり
http://www.asahi.com/national/update/0728/TKY200707280186.html
2007年7月28日 朝日新聞 夕刊掲載
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