iMacが発売されてから今年で10周年である。
色々な所で色々な人によってさんざん語り尽くされてきたことであるけど、初代iMacが発表された時は本当に衝撃的であった。
オールインワンのコンセプト自体はMacユーザー 、特に当時一体型のPerformaを使用していた自分にとっては既に当たり前のものになっており、さほど驚くものでもなかったが、当時はプロユース用と認識されていたPowerPC G3プロセッサ搭載、周辺機器の接続インターフェースは実質USBのみ、フロッピーディスクドライブの廃止など、思い切ったスペックをあのデザインの筐体に搭載してきたアップルの思い切りの良さに心底感動したものである。
当時、アップル社はWindowsの躍進に押され業績悪化のどん底にあった。
各社から次々と発売される高性能なWindowsマシンを横目に、Macの新型機種に期待しつつも 「もうMacは終わりなんじゃないか、いい加減見切りを付けてVAIOでも買ったほうが良いんじゃないか・・・?」とか、ずいぶん考えたものだった。
そんなタイミングで発表されたiMac。
これを見た時は、本当に9回の裏、起死回生の逆転満塁ホームランを見た!という気分にさせてくれたものだった。そして待ち受けていたのは、発表から発売までの数ヶ月の間の販売方法にかかわる騒動。
販売店限定? 数量も限定? 完全予約制の受注生産?
Mac雑誌や、今とは比べようもないくらい利用者は少なかったネット上のマックユーザーのコミュニティなどで、真偽の定かでないウワサと想像が乱れ飛び、先走って予約を受け付けたショップが後で発表されたiMacの指定販売店に入っていなくて、予約中止と予約済みユーザーへのお詫び告知を出して大騒ぎになったりした。
当時アップル社が販売店を制限した理由は、前評判を見ればiMacがそれなりに売れるであろうことは想像できたものの、このプロダクトの本質を理解しない販売店が安易な売り方をして、中・長期的にAppleブランドとプロダクトのクォリティイメージを損なうことを懸念したからに他ならないだろう。
その後のiMacの躍進は語るまでもない。
そして、今月10周年を迎えて発売された最新のiMac。
液晶パネルを装備して、はるかに小さな設置スペースに巨大なディスプレイ領域を確保し、CPU・メモリ・HDD容量など10年前からは想像もつかないスペックと姿に進化している。個人的にはさほど重要なポイントではないが、Macintosh上でWindowsを使うことも現実のものとなってしまった。
しかし見た目こそ大きく変化したものの、iMacというプロダクトの根底に流れる本質は、初代モデルから何も変わっていない。パーソナルコンピューターとして、ある意味行き着くところまで行った究極のカタチと言っても過言ではないだろう。
数年前にスティーブ・ジョブズが来日した際、テレビ番組のインタビューで語っていた言葉が強く印象に残っている。
「コンピュータプロダクトの世界は、今まさに進化の真っただ中にあります。そしてこの進化は、あと数10年、いやおそらく100年という時間の単位で続いていくことでしょう。」
発売直後、ボンダイブルーiMacの実機を見るために老舗のMac専門ショップの深夜展示イベントに足を運び、期待通りの出来を確かめ予約票を記入した。
今は、あの時見切りを付けずにMacintoshを使い続けてきて本当に良かったと思っている。そしてアップルには、この先10年、20年そして100年後も!あの時の感動を繰り返し体験させてくれることを期待し、いつも楽しみにしているのである。
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